昨年末、ふと思い立って本棚からすべての未読本を抜き取り、数え上げてみた。およそ200冊ほどあった。積読、それ自体に罪悪感は感じないが、ときどき自分自身に対して、本に対しての扱いが雑になっていないか、一冊一冊に真摯に向き合っているのか、と疑問を感じることがある。
幼少期から高校生までの間は、ようやく溜まったお小遣いを握りしめて、本当に欲しい本を一冊ずつ買うしかなかった。書店を出た瞬間から読み始め、飽きるまで何周でも読み返した。図書館の本にも大変お世話になったが、自分の本というものはやはり特別で、冊数こそ少なかったが、それらの本はすべて私の地肉となっている。働き始めてからは欲しい本を不自由なく買えるようになり、草原に解き放たれた獣のように手当たり次第に本を買い漁った。その熱も落ち着いてきた今、私は200冊の本と対面している。
あの頃と今、どちらが幸せだったのだろうか。あの時はあの時で欲しい本が買えずにじれったい思いをしたが、今こうやって思い返すと、そのおかげで濃密な読書体験を味わえていたと思うし、一方、好きな本に囲まれている現在が幸せでないわけがない。
下の積読本リストの最終的な目的は、読了の冊数を稼ぐことではない。また、本を買い控えるための戒めでもない。ただただ、ひたすら本と真摯に向き合いたいという考えからである。具体性がひどく欠けているのは、そのための手段が明確に掴めていないからだ。あの頃と比べて状況も価値観も変わっているので、単純に条件を同じにすればいいというわけではないはずだ。
2025年、今年一年間は、リストに並んだ本をひたすら読んで楽しむつもりだ。でも、ときどきは読むことに嫌気がさしてくるだろうし、読書以上に熱中したいこともできるだろうから、全く読まない週を挟んでもいい。本を買ったり、借りたり、売ったりなどを繰り返しているうちに、私いつまでも本に振り回されてバカみたい、こんな駄目人間が読書なんかして意味あるのかな、と闇堕ちして、でもそんな独りよがりの感傷に浸り続けることにも飽きてきた頃、やっぱり本棚の前に戻ってきてしまう自分がいて、とりあえず無作為に手に取った一冊に目を通してみると、それがまさに今、このタイミングで出会うべき本で、この運命の巡り合わせに心から感謝し、また読書にのめり込んで……。こういった一見無駄とも思える過程も必要なのだ。仲良くするだけでは埋まらない隙間もある。
そしてある日、「ああ、大丈夫。私いま真摯に向き合えている」という自分だけの確証を得ることができたら、私の小さな悩みの道連れとして、このリストにさよならを告げよう。
積読本リスト2025
- 危険なビジョン1
- 危険なビジョン2
- 危険なビジョン3
- 混沌ホテル
- 無常の月
- 故郷から10000光年
- あまたの星、宝冠のごとく
- 愛はさだめ、さだめは愛
- 中継ステーション
- ボロゴーヴはミムジイ
- ここがウィネトカなら、きみはジュディ
- マシンフッド宣言(上)
- マシンフッド宣言(下)
- 月は無慈悲な夜の女王
- スノウ・クラッシュ(上)
- スノウ・クラッシュ(下)
- 宇宙へ(上)
- 宇宙へ下
- 輪廻の蛇
- タイタンの妖女
- 鋼鉄都市
- 都市と星
- 町かどの穴
- ファニーフィンガーズ
- 最初の接触
- 折りたたみ北京
- ビット・プレイヤー
- 火星無期懲役
地球の長い午後__2025/3/3闇の左手__2025/3/29- マザーコード
- 息吹
- [ウィジェット]と[ワジェット]と[ボフ]
- 時間のかかる彫刻
- SFベスト・オブ・ザ・ベスト(上)
- SFベスト・オブ・ザ・ベスト(下)
- いずれすべては海の中に
- 創られた心
- ヨーロッパ退屈日記
- Carver's Dozen
- 蝿の王
- 幻想の犬たち
- 10月はたそがれの国
- 奇妙という名の五人兄妹
- 狂気の山脈にて
- 久米正雄作品集
- サイバーパンク・アメリカ
- 海の鎖
- わたしが光の速さで進めないなら
- 逆まわりの世界
- ウェルギリウスの死(上)
- ウェルギリウスの死(下)
- たんぽぽの酒
- ナイルに死す
- クリスマス・プディングの冒険
- 終わりなき夜に生まれつく
- 恋する星屑
- 不思議の国のアリス
- 痴人の愛
- 飛ぶ教室
- 金閣寺
- 女のいない男たち
- 伊豆の踊り子
小説の惑星ブルーベリー__2025/4/18- 小説の惑星ラズベリー
- 優等生は探偵に向かない
- ユービック
- 椿姫
- ハツカネズミと人間
- イヴのいないアダム
- ハイ・フィデリティ
- 東の果て、夜へ
- ザ・ベスト・フロム・オービット
- 何かが道をやってくる
- 好き?好き?大好き?
- 絶望のきわみで
夢のなかで責任がはじまる__2025/5/1- 思想の黄昏
- 歴史とユートピア
- 地球の生死する日
- 鳥の歌はいまは絶え
地の糧__2025/4/11- トム・ソーヤの冒険
ターミナル・エクスペリメント__2025/2/4ベロニカは死ぬことにした__2025/1/24- 嵐が丘
- ロング・グッドバイ
- 停電の夜に
- 海と毒薬
- 奇譚を売る店
- 十九歳の地図
- マーダーボット・ダイアリー(上)
- マーダーボット・ダイアリー(下)
- ねじの回転
- われはロボット
- 堕落論
- 自殺について
- 読書について
- 死に至る病
- 眠られぬ夜のために
ユートピア__2025/1/7- 死の10パーセント
- 外套・鼻
- 魂に秩序を
- カフカ短編集
- 氷
- 日本SFの臨界点恋愛編
- 日本SFの臨界点怪奇編
- ブッダのことば
- 旅のラゴス
- ハックルベリイ・フィンの冒険
- 青い脂
- 失脚/巫女の死
- 哀れなるものたち
- マンスフィールド短編集
- 最後にして最初のアイドル
- 死の家の記録
虐げられた人びと__2025/4/20- 白夜/おかしな人間の夢
- 鰐
- 二重人格
未成年各(上)__2025/2/27未成年(下)__2025/3/22- 白痴(上)
- 白痴(下)
- トータル・リコール
- 聖なる侵入
- 高い城の男
- 死の迷路
- ザップ・ガン
- 愛なんてセックスの書き間違い
- 取材・執筆・推敲書く人の教科書
小説__2025/1/6- know
- [映]アムリタ
- タイタン
- 侍女の物語
- SF九つの犯罪
- 社交ダンスが終わった夜に
- 二人がここにいる不思議
- 星を継ぐもの
- テレパシスト
- パラダイス・モーテル
- われらの時代/男だけの世界
- ペスト
- ありきたりの狂気の物語
- ブコウスキーの酔いどれ紀行
- 旱魃世界
デジタル・ミニマリスト__2025/1/22- ノックの音が
- MONKEY(vol30)
- MONKEY(vol31)
- 馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに
- 〇秒思考
チェレンコフの眠り__2025/5/17- ボッコちゃん
- ナイン・ストーリーズ
- フラニーとズーイ
- 時は準宝石の螺旋のように
- 罪深き愉しみ
- カリスマ
冬の子供たち__2025/2/13- ヴァリス
- アマチュアたち
- ハローサマー・グッドバイ
- 浴槽で発見された手記
- 憑かれた女
- 悪魔は死んだ
- 去りにし日々、今ひとたびの幻
- ジュリアとバズーカ
- 愛の渇き
- 猫城記
- くらげ
- 宇宙のエロス
- ミュウタントの行進
- ロボット文明
- 未来ショック
- 華麗なる幻想
- SFの気恥ずかしさ
- 魔性の子
- 月の影影の海(上)
- 月の影影の海(下)
- 風の海迷宮の岸
- 東の海神西の滄海
- 風の万里黎明の空(上)
- 風の万里黎明の空(下)
- 図南の翼
- 黄昏の岸 曉の天
- 華胥の幽夢
- 丕緒の鳥
- 白銀の墟玄の月(一)
- 白銀の墟玄の月(二)
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- 悪と仮面のルール
- 私の消滅
- Goodoloboys
- 王国
- 去年の冬、きみと別れ
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- 金曜日の本
- 怒らないこと
- 流星シネマ
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